ガンとは  

                                医師  三好 彩

はじめに

 日本人の死亡原因の第1位を占めるガンは地球人類を悩ます疾患です。日本では年間の死亡者数は年々増加しており、約30秒に1人がガンで亡くなっている計算になります。今や2人に1人がガンになる勢いです。
最近は食生活環境の西欧化のため西欧諸国と同様の肺ガン、大腸ガン、乳ガンなど多くのガンが増加傾向にあります。私たちの生活環境はダイオキシンをはじめ、放射線や紫外線、肉食、喫煙など発ガンに強い関連性を持つ物質環境にあふれかえっています。
では、悪環境の現代社会でガンを克服するにはどうしたらよいのでしょうか。まずはガンについて知ることからはじめましょう。

ガンとは

 ガンはもともと自身の体が生み出したものです。ガン細胞は正常な細胞と違い、非常にすばやい速度で増殖し遠くの臓器に転移してそこでも成長します。おまけに成長するに従い悪性化します。悪性化というのは例えば抗癌剤を何度も使うとそれに抵抗力を持つガン細胞が生まれてくることです。ガンが成長すると組織の正常な動きが妨害されてしまうだけでなく、周囲の正常な細胞から栄養と酸素を吸い取り、正常な細胞を殺す物質を放出します。おまけにガン細胞はには寿命もありません。

ガンの治療

 ガンは治りにくいイメージがあると思います。これは、ガンが体の一部であるため、例えば、ガン細胞を死滅させる薬物(抗がん剤)は正常な細胞も障害させてしまい、悪心、嘔吐、脱毛、白血球減少など副作用が強いためです。全身に転移したり、悪性化することも治療を困難にしています。
  根治が困難であることから、ガン治療の目的は一般にはガンを小さくして延命効果を上げたり、痛みの症状を和らげることになります。やはり、ガンを根治する事は無理なことなのでしょうか。

ガンの原因

 正常な細胞がガン化する原因は、遺伝子異常によることがわかっています。つまり、体内の遺伝子が変異を起こす結果ガンが出来るのであって、環境などの外部要因はあくまできっかけにすぎません。
  ガンの働きをストップさせたり、正常な細胞をガン化させないためには遺伝子の変異をさせないことです。
  発ガン遺伝子のスイッチをONに、ガン抑制遺伝子のスイッチをOFFにするのは両親からの遺伝情報であらかじめ決まってしまっているのではなく、実は精神作用を含めた環境因子が関与しています。遺伝子解析の権威で筑波大学名誉教授である村上和雄氏は、遺伝子のはたらきは「生き方」によって左右され、良い遺伝子を働かすにはプラス思考が大切で、良い遺伝子の働きを阻害するのは否定的な心であると言っています。アメリカや日本でも最近は「笑い」や「祈り」やイメージトレーニングをガン治療に取り入れ免疫力を上げる試みがなされてきています。
  安保徹・福田稔[監修]『免疫を高めて病気を治す「生き方」革命』(マキノ出版ムック)では、ガンの治癒者(大幅なリンパ節転移、多臓器転移、再発などの悪いレベルのガンから治癒し、その後5年以上再発もなく健やかに暮らしている人)101名を対象に「ガン治癒者であるあなたと、ガンが治らない方との違いがあるとすれば、何だと思いますか?」というアンケート調査を行ったe−クリニックの発表があり、1位が「考え方」で38名、2位が「食事」で26名、そのほか「治療法」10名、「家族」9名が続き、何と「医者(病院)」はたったの3名でした。「生き方を変えた」「人に頼らなくなった」「細かい事を気にしなくなった」というのが治癒者の共通項だとも言っています。
  「笑い」やイメージトレーニングは一時的なもので、ガンと聞いただけで普通は絶望的になってしまい、なかなか考え方や生き方を変えるという作用にまで及びません。考え方を変えるというのはとても大変です。ところが、リラ自然音楽療法では一番作用するところのようなのです。

Copyright © 2002-2007 The Gentarou Yamanami Cultural Foundation.
戻る