新しく出た青木由有子さんのCD「愛を語る夢のむこうで」が、あまりにも素晴らしく感動したので、感謝の思いを込めて、少し感想を書かせてもらいます。昨年の9月の出産以来、育児のために鎌倉へ通えなくなり、遠隔セラピーを受けながらも孤軍奮闘の寂しさを感じていた私にとって、このCDは、すばらしいエールのプレゼントをいただいたようで、エネルギーが体の底から湧いてくるのを感じました。
最初にCDを自分の心と体に沁み込ませるようにじっくりと聞き、熊谷先生の解説を読むと、以前「宮沢賢治を読む会」(注、リラ自然音楽クラブの講座)やセラピーで体験したような深い感動に包まれました。聞く前と後では、自分が別人になってしまったかのような感じがしました。うまく表現できないのですが、自分の中の何か新しい窓が一つ開いて、そこから光がどんどん入って来て、希望で胸は高鳴っているのに、心はとても静まり返っているのです。その後、繰り返し聞くたびに、どんどん深みへと入って行くような気がします(まるで賢治さんの作品を読んでいる時のように)。
どの作品も感動したのですが、特に、「ノクターン〜噴火湾〜」の青木先生の朗読では、曲と共に迫ってくるその迫力に圧倒された思いがしました。この作品を聞くと、娘を亡くした時の悲しみ、コンサートで聞いた時の思いなどが生々しくよみがえり、どうしても涙が出てきてしまいます。でも何度も聞いていると、その涙は、もはや単なる喪失の悲しみの涙ではなく、涙を超えた先にある光へと導かれた深い感動の涙に変わっていったような気がしました。そして、次の曲「種山ヶ原」では、真っ暗な地底から、一気に光と風の野原に抜け出たような喜びと温かな思いに包まれました。種山ヶ原に立った時に感じた、さわやかな風が体の中を吹き抜けて行くのを感じました。そして、なぜか、長い時を経て、ようやく今、ここに立っているのだというような深い感慨を覚え、さあ背筋を伸ばして、より深く、より高く、美しい世界を求めてしっかり歩いて行こうと思うのです。
ジャケットの熊谷直人氏の素敵な絵を見ながら、「愛を語る夢のむこうで」の歌を聞いていると、この絵の向こうにある素晴らしい愛の世界へのヴェールは、もうすぐ取り払われるのだと静かな希望に満たされます。本当に愛あふれる素晴らしいCDをありがとうございました。もっと伝えたい思いがたくさんあるのに、言葉がついていかず、よくわからないような内容ですみません。たくさんの人に、このあふれる愛が伝わることを願って、これからどこへ行くにもCDを流しながら歩きたいと思います。
追伸: 個人的には、「普香天子」が、好きでたまりません。心の中が、シーンと澄み渡り、賢治さんの心に一瞬触れたような気持ちになるのですが、皆様は、いかがでしょうか。 |