コンサートがだんだん近づいてまいりました
宮沢賢治の作品から生まれた曲が沢山あるから、テーマは銀河鉄道の夜にしよう、そうだ「中空を行く銀河鉄道」に続く新曲も作らなくちゃ、と企画の段階ではとても楽しく考えていました。
いつものコンサートは私が曲説を入れながら進めるスタイルですが、今回は台本を作って頂き、第1部は私の説明と賢治の詩や童話の朗読で、第2部は、童話「銀河鉄道の夜」の朗読をベースに物語が進行して行きます。
皆の練習や音響・照明さんとの打ち合わせ等、準備も着々と進んでいます。コンサートまであと2週間程となりました。
が、その最後を飾るはずの新曲、なんとこれがまだ出来ていないのです。
台本や進行表にある「新曲」とだけ書いてある白いスペースが目に入るたび、頭を抱え思わずうめき声を上げてしまいます。
「間に合わないかもしれない……」。
しかし、うめいて曲が出来るわけもなく、どこからか「やってくる」のをひたすら待ちます。
気持ちを前向きにして、コンサートの準備を一生懸命しているとある時突然「やってくる」のです。
そうしたらそれを写します。
お願いします、どうか曲をお与え下さい、と私は見えない誰かにお祈りします。
でもいつも2週間前、ひどい時には3日前にできたばかりの、練習不足の歌を聞いて下さるお客様には、申し訳ないです。
(幸いまだクレームは来ていません。)
「中空を行く銀河鉄道」は故郷(天上、南十字星)が目の前に近付いて来た所で終わっています。
しかし新曲では、とうとう天上へ旅人達がたどり着きます。そして私達はさらなる世界(南十字星の向こう)へと旅立って行く……そんな曲になると思います。
ああ、どうか無事に曲が出来ますように。
新曲の他には久しぶりに「火の島の歌」「ノクターン〜噴火湾」「雁の童子」等を歌います。
「雁の童子」はCDに収録した時から、また少し合唱パートに手を入れました。前よりもスッキリしたのではないかと思います。
CDには入っているけれど、コンサートでは初めて歌う歌も数曲あります。
朗読と歌を一体化させ、全体を通して「朗読歌曲」になるように構成してあります。
おいで下さった方に「銀河鉄道の夜」の世界にすっぽり入って頂き、皆で列車に乗って銀河を旅する事が出来たら……と思っています。
どうぞお楽しみに!
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