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聞き手
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このCDのテーマは何ですか?
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由有子
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テーマというのは特に無いんですけど、今まで人気の高かった「鶯宿〜」や「ノクターン」など、CD未収録の曲や、新曲を集めて作りました。
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聞き手
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聞きどころはどこですか?
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由有子
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歌とピアノ、合唱や朗読歌曲など、今回は非常にバラエティー豊かで、曲調も全然感じの違うものばかりです。
聞いていて楽しめるCDなのではないかと思います。
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聞き手
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由有子さんのお気に入りの曲は何ですか?
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由有子
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「愛を語る夢のむこうで」です。今までの自然音楽と違う感じの曲で、歌詞が自分でも好きです。
今まで私はどんな音楽でも、純粋で美しいものやキレイなもの、そういう部分だけを取り出して歌ってきました。人間が生きてゆく上でもつ苦しみや悲しみ、葛藤、そういうものはあったとしても、それらは全て横において、前向きな部分だけを見つめて歌ってきました。
だけど今は、そういう部分も人間にとって必要なものであるし、愛すべきものなのではないかと思う様になったんです。人間の悲しみや苦悩も大切なものとして歌いたい、そう思った時この曲が出てきたんです。
愛といっても人によって色々な段階があるけど、この曲はどんなかたちの愛でも受けとめてくれる、そんな曲のような気がします。
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聞き手
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録音時のエピソードがあれば教えて下さい。
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由有子
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今回も何度も録り直しました。大変苦労しましたが、何とか形になってほっとしています。
私は何度も録り直すのですが、3日目の録音の日に山波言太郎先生が来て、別のCDの朗読(注、CD「地球あそびうた」のこと)を録音しました。
山波先生は一回読んで、ちょっと気に入らないのだけ数回録り直す程度で終わりになりました。先生は自分で録ったものを聞きながら、「アー、やっぱりマイクの前に立つと緊張するんだよな、上手く読もうと思っちゃうんだな、人間とは愚かなものだよなぁ。」と言って帰ってゆきました。残った私は苦笑いするしかなかったのですが…。さすが名人としか言いようがありません。
それとは別に、4日目の録音日に頌歌隊の人達が来て録音したのですが、曲のレベルが高いという事もあり、なかなか全体の波動が上がらず何度も録り直したのですが、私が「もう一回録り直ししたいのですが…。」と言うと、頌歌隊の方は、「何度でもやります。」と言って下さって、結局その日は朝から晩まで20回近く録り直しました。本当に感謝です。
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聞き手
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最後に読者の方にメッセージをお願いします。
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由有子
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今回のCDは、2曲を除いて全て賢治作品の曲なのですが、賢治の曲は全てと言っていいほど、(リラ自然音楽クラブの)講座「宮沢賢治を読む会」で講師の熊谷えり子先生のお話を聞いたり、熊谷先生に賢治の良い詩を紹介されたりして、そこから生まれたものばかりなのです。
そこで今回はお願いして、CDのジャケットの中の解説を熊谷先生に書いていただきました。
本当に素晴らしい解説なので、ぜひこれと合わせてCDを聞いて楽しんでいただけたら、と思います。
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聞き手
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ありがとうございました。
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