鎌倉の名所としてあまりに有名な大仏さま。今年はオバマ大統領が訪問するなど世界的にも話題になり、ネットでも”Where is Kamakura?”という問いをしばしば見かけました。外国から見た鎌倉は「Kyotoの親戚」程度の認識でしょうか。しかし日本人とて人のことは申せません。お恥ずかしながら、私も一度は覚えたはずの史実をきれいさっぱり忘れてしまいました。でもそんな真っさら頭を吃驚させたのが「奈良の大仏と鎌倉の大仏の違い」。歴史勉強会の聞きかじりによれば一番の違いは「勅命か寄進か」だそうです。奈良の盧舎那仏は天皇勅命によって建立。のべ260万人が働いたそうですが、そこは国家事業、信仰というより実際は使役だったとか。それとは対照的に、鎌倉の阿弥陀如来は民の浄財を集めて完成したらしい。つまり民意ですね。これはすごいことです。歴史的にはまだまだ謎が多いそうですが、「武士」が政権をとるということがいかに革命的だったか、鎌倉という土地の不思議に思いを馳せてしまいます。
さて、私が好きなのは後ろから見た猫背のお姿。参拝者を覗き込むような姿勢に、暖かさを感じます。大きな頭は、見上げた時に丁度いいサイズになるように遠近法で設計されたと子どもの頃習いました。緑に囲まれた大仏さまはどの角度から見ても癒されます。大仏さまの謎、実際にご覧になって確かめてみてください。
(リラ自然音楽研究所から徒歩約20分。江ノ島電鉄長谷駅から徒歩約10分。鎌倉駅から佐助経由で約25分)
<道案内>
下馬交差点から、由比ヶ浜大通りに入ってしばらく歩き、長谷観音の交差点を右折する。または、鎌倉駅西口(裏駅)を市役所の方に真っ直ぐ歩き、長谷大谷戸を左折しても行くことができます。拙い文章をお読みくださりありがとうございました。2011年もよろしくお願いいたします。
2011年1月号掲載