鎌倉潮風だより

 

 

もくじ

その21 稲村ヶ崎からの風景

その20 高徳院の阿弥陀如来像 new!

その19 江の電

その18 寿福寺の参道

その17 甘縄神明神社 奥の院

その16 源平池の蓮の花

その15 裁許橋(西行橋)

その14 逆川

その13 琴弾橋

その12 妙本寺の参道

その11 浜の大鳥居跡

その10 長谷観音からの風景

その9 永福寺跡

その8 白旗神社 藤沢遠足

その7 元鶴岡八幡宮

その6 材木座海岸

その5 報国寺の竹の庭

その4 やどり木

その3 段葛

その2 由比ヶ浜海岸

その1 八幡さまの大銀杏

その2 由比ヶ浜海岸 

由比ヶ浜海岸

 

 よく、家とか場所に呼ばれたという話を聞きますが、実は初めてそんな経験をしました。私を呼んだのは、この由比ヶ浜海岸です。休みのたびに北鎌倉に通うようになって10年。講座やボランティア活動の合間をぬっては、この浜に降りるようになりました(それまでは、人が多いので近づかないようにしていたくらいなのですが)。そこで歌や朗読の練習をしたり、日没を見たりしているうちに思い出してしまったのです。小さな弓のような形の浜が私の心の中にもあって、どうもそれが「理想の原風景」のようだということを。そちらは、高く切立った崖だらけの原初の海岸ですが、確かに由比ヶ浜なのです。その浜が、目をつぶるたびに激しく私を呼び、ついには引っ越しを決めました。

 鎌倉時代は、血なまぐさい合戦場、処刑地や墓地であったという一方(静御前の悲劇の言い伝えもありますね)、頼朝公の禊の場でもあったとも聞きます。漁業はもちろん、交易の中心舞台でもありました。じつに多様な歴史を持つ由比ヶ浜ですが、リラ研の引っ越しのおかげで、今では私たちの大切な庭となりました。何か深い縁を感じます。ワカメやビーチコーミングだけでなく、晴れた日には遠く大島も見えます。お弁当を広げるときは鳶さんにお気をつけください。

(リラ自然音楽研究所から、徒歩1分) map

2009年5月号掲載

前ページ

最新ページ
次ページ
リラ自然音楽ホームページへ



Copyright © 2011-2013 The Gentarou Yamanami Cultural Foundation.