鎌倉潮風だより

 

 

もくじ

その21 稲村ヶ崎からの風景

その20 高徳院の阿弥陀如来像 new!

その19 江の電

その18 寿福寺の参道

その17 甘縄神明神社 奥の院

その16 源平池の蓮の花

その15 裁許橋(西行橋)

その14 逆川

その13 琴弾橋

その12 妙本寺の参道

その11 浜の大鳥居跡

その10 長谷観音からの風景

その9 永福寺跡

その8 白旗神社 藤沢遠足

その7 元鶴岡八幡宮

その6 材木座海岸

その5 報国寺の竹の庭

その4 やどり木

その3 段葛

その2 由比ヶ浜海岸

その1 八幡さまの大銀杏

その16 源平池の蓮の花

源平池の蓮の花

 

 昔の鶴岡八幡宮といえば、参拝する前に渡る縁起物の赤い太鼓橋が印象的でした。遠足の時など、みな競って駆けあがり滑ったり転んだり大騒ぎしたものですが、いつの間にか立ち入り禁止になってしまいました。安全と保全のためでしょうか。その太鼓橋の下にあるのが瓢箪(ひょうたん)のかたちの源平池です。紅白蓮や牡丹園が有名ですが、実を申せば蓮も牡丹もあまり鑑賞したことがありませんでした。ところが今年は、何だかすごく蓮が立派に育って、素通りできない見事さを感じました。写真を撮った日は、少し盛りを過ぎていましたが、大きな葉や花がものすごい密度で重なり合って、その面(おもて)を折からの強風がふき渡って行く様はほんとうに壮観でした。

 史実によれば、池の西側を平家に見立て紅蓮を植え、「死」を意味する四つの島を配置。東側を源氏に見立て白蓮を植え、「産」を意味する三つの島を築いて源氏の繁栄祈ったとか。ちょっと恐い歴史ですね。現在は東西とも白蓮が多く、源氏池の所々に紅蓮があります。ともあれ蓮がどこまでも続く風景は素晴らしく、じっと見ていると、くらくらと自分が小さく縮んで行くような気持ちなります。そこは亜熱帯の国のようでもあり、妖精の国のようでもありました。
(リラ自然音楽研究所から徒歩約25分。鎌倉駅から約12分)

<道案内>
若宮大路を海と反対方向に進みます。段葛を抜けて鳥居をくぐると目の前に三つの橋があります。真ん中が昔からある太鼓橋で、左右の橋は近代に新設された橋です。その下にあるのが源平池。向かって右側が源氏池、左側が平家池になります。埋め立て等で往時よりだいぶ小さくなっているそうです。map




2010年9月号掲載

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