先日、藤沢に用事があった帰り道に、源義経が祀られている白旗神社に行ってきました。鶴岡八幡や西門にも頼朝を祀った同名の神社がありますが、今回は藤沢にある白旗神社のお話です。この神社の前には白旗川が流れています。半ば鉄骨で覆われていて、暗渠にする寸前のような様相ですが、この川辺に義経伝説が残っています。1189年、平泉衣川での自害の後、義経の首は腰越まで運ばれ、首実検の後、浜に捨てられました。ところが夜の間に片瀬の波間を漂い、上げ潮に乗って境川を遡上、支流である白旗川の川辺に漂着し、里人によって清められて葬られたらしいのです。その話を聞いた頼朝の命で、白旗神社と名を改め義経を合祀したのですが、神社HPの年表によると、義経合祀は1249年。衣川から60年経過した、頼朝の死後のようです。
さて、境内は厳かな雰囲気で、微かに雅楽の調べも聴こえます。笹竜胆(ささりんどう)が配された社殿には義経らしい華やかさがあり、傍らには弁慶にまつわる力石も置かれています。複数の歴史的理由から、義経の死には疑問が残るのですが、義経伝説の残る土地にはせつない雰囲気を感じてしまいます。
(リラ自然音楽研究所から電車乗り継ぎや徒歩を合せて、約50分ほど)
<道案内>
大船で東海道線(下り)に乗り換えて藤沢へ、さらに小田急線(各駅停車・上り)に乗り換えて1つ目の駅「藤沢本町」下車、徒歩7分ほど。駅を出て、商店街を左方向に歩いて行くと、大通り(国道467)に出るので更に左折して歩いて行くと、右前方に真っ白な鳥居が見える。近隣に、義経首洗井戸や首塚の石碑、弁慶を祀った八王子社跡等もあります。
2010年1月号掲載