鎌倉の顔ともいえる鶴岡八幡宮ですが、最初からあの場所に建っていたわけではなく、最初は材木座にあったようです。史実によれば1063(康平6)年、源頼義が奥州征伐に向かう折、源氏の守り神「石清水八幡」を由比の郷にまつり、1180(平治4年)年に、頼朝が小林郷北山(現在の場所)に移したとのこと。巨大な鶴岡八幡宮と対照的に、元八幡はこぢんまりとして、いつ伺っても参拝客は私ひとりです。しかし鳥居をくぐると、小さいながらも階段や、手水舎、さらに鳥居があり、とても静かな気持ちでお参りできます。武神のせいか、さっぱりとした中にも、きりりとした厳しさがあり、現八幡とは異なる趣を感じることが出来ます。大町四ツ角を右折しても行けますが、由比ガ浜歩道橋の交差点を右に渡って鎌倉女学院の脇道を歩くほうが近いです。今回のオマケ情報は、その交差点を左(元八幡方向と反対)に曲がって1分ほど歩いた所にある福祉作業所のパン工房「鎌倉はまなみ(土日休)」です。温かなカタチのパンたちはどれもおいしく、地元民のみ知る人気店です。
(リラ自然音楽研究所から約12分)
<道案内>
若宮大路沿いの由比ガ浜歩道橋交差点を右(鎌倉女学院側)に渡り、そのまま直進。京急バス駐車場を左に見ながら川を渡り、突き当たりを道なりに右、二つ目の角を左に曲がります。ヒロ病院の前を歩いて行くと「元八幡」というバス停があり、その向かいに「元鶴岡八幡宮」と書かれた目立たない石標と参道の入り口があります。(バスは上りしかなく鎌倉からは行けません)
2009年12月号掲載