凍えるような寒さが続いたと思ったら、突然20度を越える日があったりして、この冬はほんとに身体もびっくりです。世の関心は、経済変動等の目の前の事象に集りがちですが、ちょっと引いて見れば天体や地球環境の変動も相当なものですよね。日々に忙殺され、最近は浜に降りる余裕もないのですが、たまにはマクロ的に鎌倉を眺めてみたいと思い、長谷のお山に登ってみました。実を申せば、今まで避けていたのです。なにしろ有名な観光地ですごい人出ですから。しかし、その眺望は期待以上の美しさでした。
海光山慈照院長谷寺(かいこうざんじしょういんはせでら)、通称長谷観音は、天平8年(736)に開山されたと言い伝えられており、十一面観世音菩(じゅういちめんかんぜおんぼさつ)を本尊とする古刹です。山の中腹に造られた「眺望散策路」という急な階段道をどんどん登って行くと、木々が急に切れ、眼下に鎌倉が一望できます。長谷から材木座にかけての街並み、それを囲む山々、アーチを描く海岸線や三浦半島まで実によく見えます。海上にはウィンドサーフィンの帆が見えました。鎌倉時代にもきっと、たくさんの帆掛け船が見えたことでしょう。私たちの研究所の辺りには、松の並ぶ若宮大路や浜の大鳥居も見えたかもしれませんね。