自然から教えて貰いなさい−−−自然にめぐまれた鎌倉にあって、一層このコトバの意味深さを実感しています。竹は、そのさっぱりとした香りといい、天へ向かってまっすぐに伸びる凛とした姿形といい、高貴な葉ずれの音といい、誰しもその完璧さを認めるところですが、リラ自然音楽を知ってからは、姿勢の良い姿を見るたび「天と地をつなぐ」管を思い出さずにはおれません。1日1mといわれる生育の早さ、頑強に広がる地下茎、ひどい風が吹いてもしなやかで、たださらさらと美しい音色をたてるだけ。縁起が良く、地震でも安全で、抗菌作用もある。そんな師匠、竹さんに会いたくなった方は、臨済宗の古刹報国寺まで足をのばしてみませんか。境内の庭には2,000本の孟宗竹が風にそよぎ、さらさらという音の無限ループが忘我の境地に誘います。所でこのお寺、何故か海外の方々に人気です。鎌倉在住と言うと「竹寺を案内して欲しい」と興味を示すのはたいてい外国人。フランス版ミシュランでは何故か三ツ星の格付けで、かのスピルバーグ監督はじめ有名外国人たちもお忍びで訪れるとか。静寂の中で竹庭を楽しみたい方は、早朝や平日、雨の日がお勧めです(9時〜16時、竹の庭200円)。庭を見ながらのお抹茶も美味です。
(リラ自然音楽研究所から徒歩60分弱。鎌倉駅からバスで15分ほど)
2009年9月号掲載