前回、長谷観音から見た心象の風景の中に「浜の大鳥居」が見え隠れしたのですが、どうも場所がはっきりせず、気になっています。若宮大路には現在、一ノ鳥居(研究所に一番近い)、二ノ鳥居(段葛入口)、三ノ鳥居(神社入口)の3つの鳥居があります。往時は、いちばん南側にあるものを「浜の大鳥居」と呼んでいましたが、その位置は諸説あり、昔は海岸線がもっと内陸で、浜に建つ一ノ鳥居を「浜の大鳥居」と呼んだという説、若宮大路の延長線上の海中に鳥居があったという説、滑川河口に建っていて、今も基礎が残っている等々の説があったようです。ところが、平成2年の若宮大路改修工事の際に巨大な柱根が発掘されたことから、この場所が妥当であるとの結論に至ったとのこと。一ノ鳥居から180m北に発見された柱根は直径160cmの寄せ木造りで、推定される高さは、なんと16m。現在の一ノ鳥居の2倍の高さで、建物だったら4〜5階建です。きっと、長谷観音からもよく見えたことでしょう。もう一本の柱も、横断歩道を渡った反対側の歩道にありました(タイルが丸い形に色づけしてあり、モニュメントになっています)。とはいえ今や、海中鳥居伝説に興味津々です。
(リラ自然音楽研究所から徒歩約7分)
<道案内>
若宮通りを由比ヶ浜から鎌倉駅の方向に進み、歩道橋のある交差点が目印です。フレッシュネスバーガー前の植え込みの柵の中に、石碑と鳥居のモニュメントがあります。自転車が置かれていたりしてちょっと分かりにくいです。
2010年4月号掲載